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| どうしてこれほどまで、家族介護を嫌うのでしょうか。 厚生省の施策・多くの新聞報道をみていますと、憂鬱な気持ちを通り越し、腹立たしくさえなります。 自称専門家が、自説を通すため繰り広げる感情論には辟易させられます。 論議を尽くさず始まった介護保険もすでに半年が過ぎ、全容が見えてきました。この際、様々な角度から介護保険の現状を見直す必要があります。 この半年を「慣らし運転」(政治家発言)とせず、「テスト運転」としなければなりません。介護保険は完成車とはいえません。長持ちさせる「慣らし運転」ではなく、未完成さを知る「テスト運転」期間とすることが肝要です。 「テスト運転」は、設計者の意図(速度等の性能)を確認するのみでなく、運転特性の観察が必要であり、「テストドライバー」の体験が重要な意味を持ちます。 60年前、日本は国の難局を打開するため、国民統制組織を結成します。これが大政翼賛会であり、政府の施策への全面的・強制的同調が要請されました。また厳重な報道管制のため、戦況を知る唯一の手段は大本営発表でした。 相手方を鬼畜呼ばわりするばかりでなく、クラシック音楽さえも遠ざける風潮には、子供心にも反発したものです。 あれから半世紀、介護保険の実施にあたって、大政翼賛会・大本営発表を思い出される方が多いのではないでしょうか。道理を抹殺するために声高に唱えられる感情論、ひたすら行政に忠誠を誓う言動は、憎々しくもあり滑稽でもあります。 世の中は広く、個々の生活様式を詳細に知ることなど、到底できるのもではありません。そこで、ここ太陽の郷で生活される200人のお年寄りと、その周囲環境(家族等)を中心に、家族介護について考えたいと思います。 |
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「今日も静かな日ですね」返事はありませんが、穏やかな笑顔で応えます。 日課のお散歩がこれから始まります。 敷地内をゆっくり1時間、傍目にも羨まれる光景です。 家族介護事例:その1 従来の辞書には、「介護」という用語はありません。おそらく老人福祉法を作成する時点に作られた、造語と思われます。 厚生省は「介護」を、「成人の家庭人の誰もがその意志に基づいて行うことのできる活動である」(「老人保健福祉事典」より)と定義しています。 a)成人であること、b)家庭人(職業人でない)の誰もができること、c)自分の意志(他からの強制ではなく)に基づいたものと、介護についての三つの要件を挙げています。 しかし介護保険(給付)では、「成人の家庭人が、その意志に基づいてお年寄りのお世話をしても、介護とは認めない」のが現状です。「美徳ではあるが介護(労働)ではない」というのが、厚生省の主張です。 厚生省は介護保険の給付を、「保険者」ではなく「社会福祉援助者」の立場で実施しようとしています。 難解な個別援助技術理論を適宜利用し、介護保険事業の独占を意図していると考えられます。介護事業を「高齢者(公衆)の日常生活に不可欠なサービスを提供する事業である」として、法律的独占の性格を強めてきました。 現代は小さな政府が望まれ、郵便事業・電力事業等独占の色合いを薄めつつある時代です。なぜ今、独占事業を創設しようとするのでしょうか? 明白な時代錯誤です。 家族介護事例:その2 戦中戦後のお米の配給は、逼迫したお米の供給量を確保するため国が供給源を支配し、価格と流通を管理する制度でした。各世帯に配布された米穀通帳は、40年間も継続存在し続けました。しかし、介護サービス配給制度はお米の配給とは全く異なる意味合いをもっています。 供給量を確保(米を増やす)するため行われた供給源の総括支配に対し、今回は供給量を故意に減らす処置をとっています。理解に苦しむ制度です。 一方では基盤整備(介護供給源の増強)を唱えながら、現実には大切な基盤を排除しています。家族介護を嫌う理由はなんでしょうか? 答えは明らかです。介護事業を独占し、省益を拡大しようとする意図が、家族介護を排除する施策に現れたのです。 厚生省は、傘下にすることができない家族介護を排除し、体制に恭順の意を示す業者を指定することによって独占構造を確かなものにし、医療福祉政策の欠陥を姑息的に修復しようとしているのです。 厚生省の事業独占を防止するためには、家族介護を介護労働と認め、現金給付(選択)制度を実施することが必要です。 介護保険に現金給付選択制度を実施しているドイツにおいては、保険事業の資源を総て保険料に求め、保険の性格を明瞭にしています。また、供給源に家族介護の参加を求め、介護従事者を労働者として保護・育成する政策をとっているとのことです。 |
| 家族介護を悪者呼ばわりして排除する厚生省と、働きやすい環境を整備して家族介護を受け入れるドイツ、両者の差は歴然としています。 ドイツの実施例を参考に、介護保険に現金給付選択制度を取り入れることを強く提言します。 |
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