茅ヶ崎 太陽の郷
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<蘇ったオルガン>
平成18年5月、約1世紀前に制作されたオルガンが、約60年ぶりに美しい音色を甦らせました。

このオルガンは、太陽の郷の前身ともいえる南湖院(明治32年(1899年)に創立された当時東洋一といわれたサナトリウム)で使用されていたものですが、戦中の日本海軍の駐屯、戦後の進駐軍による接収などの混乱期を経て、約60年もの長い間倉庫に眠っていました。本体内部はネズミが巣くい、大事な部品がかじられたり、劣化したりで、悲惨な状況でしたが、この度匠の手によって見事に甦りました。

オルガン本体に残っている銘や造作の特徴などから、日本最初のオルガン制作会社の西川製作所が、明治42年(1909年)以降に制作したことが判っています。今回の修理、復元に従事した藤本さん(ドイツなど欧州各地で修行を積んだ国内屈指の修理技術の保有者。先頃NHKで放映された東京カテドラル教会のパイプオルガンの新規製作のリーダーとしてもご活躍)は、このオルガンの特徴を次のように言っています。
   
1. ストップが13本もあること。これは西川製オルガンでは最多に近い本数である。
 
   
2. ストップ列の下方前面の「西川製 日本 横濱」の銘があるオルガンは大変珍しい。
 
濱横本日製川西
   
 
   
<お披露目コンサート>
  7月9日(日)の午後、このオルガンのお披露目コンサートを行いました。
演奏者は、このオルガンを修理したご本人、藤本忠士さん(昭和13年寅年生まれ)、現在横須賀の上町教会のオルガン奏者として活躍されているほか、定期演奏会を開くなど、幅広い演奏活動をしていらっしゃる方です。

当日は、あいにくの雨模様の天候でしたが、太陽の郷の会員さん、職員、そして近隣の方達多数が博修館に来場されました。

数奇な運命をたどってきたオルガンは、約1世紀の時空を超えて、素晴らしい音色をホールに響かせ、コンサートに集まった方達を魅了しました(写真@)。

コンサート終了後、皆さんがオルガンの周りに集まり、藤本さんを中心にオルガン談義が繰りひろげられました。この時、真っ先にオルガンに駆け寄ってこられたのが太陽の郷会員の上野さんでした。ご本人は、「松本オルガン」の創業者のお孫さんに当たるということで、藤本さんとのお話も大いに弾みました。

このオルガンにまつわるお話をもう一つ。
 茅ヶ崎市在住の角田とし子さんが、コンサートに参加されました。角田さんは、幼少の頃、南湖院の色々な催し物に参加された経験をお持ちで、このオルガンのことも記憶されているそうです。70年?ぶりのオルガンとの対面に感無量の様子でした。

オルガンは、弾けば弾くほど本来の音色に戻るそうです。何しろ60年間も眠っていたオルガンです、まだまだ本調子ではないようです。 
 
(工藤記)
 
   
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