南湖院の歴史

第一病舎は、明治32年(1899年)の竣工以来幾度となく改修を経て現在に至っているものと思われます。2002年に、畊安の孫高田準三が実施した第一病舎の修繕の様子を見ていきます。

最初に示すのは、この時点での建物の傷み具合です。

①南東面外壁の傷み具合

① ② ③ は、南東面外壁の傷みの詳細です。外装は塗装がはがれ、外壁下見板張りの劣化腐朽が進んでいます。

②東面2階外壁の傷み具合

③東面2階外壁の傷み詳細

で、第一病舎の特徴である2階窓上部のペディメントの劣化状況がわかり、塗装の剥がれをこれ以上放置すると装飾の復元が難しい状況にあることがわかります。

④西側階段室外壁の傷み

は西側階段室の傷み具合です。外壁は1階下部が朽ち果てています。階段室部分は、建物外周に廻されている元名石の布基礎ではなく、束石から柱を立ち上げていました。

⑤北面玄関東側土台の傷み

は北面玄関東側の土台・柱、間柱の腐朽、⑥は同位置の窓枠の傷みの進行状況を示します。

⑥北面玄関東側窓枠の傷み

⑤ ⑥には、内壁の下地材として木摺り(写真で斜めの材)が見られ、当初の内装壁は左官壁(漆喰壁か)であったと思われます。現状の内壁は、この木摺りの上にベニヤ張り塗装仕上げであったり、プラスターボード張りビニールクロスであったりしていますがこれは後世の改修の結果であろうと思われます。

⑥では、窓枠の両サイドに上げ下げ窓のカウンターウエイトの昇降スペースが見て取れます。

⑦基礎・土台・柱・間柱の傷み

は、外装の竪羽目を外して見えてきた基礎・土台・柱・間柱の傷み具合です。腐朽の進行が著しい。基礎の石材の風化も進んでいます。

⑧西側階段入口外部扉・南面入口外部扉の傷み

は、西側階段入口外部扉・南面入口外部扉の傷み具合です。修復して再利用しています。

ここからは、修復の状況を見ていきます。

⑨北面玄関東側土台・柱の更新

土台はすべて置き換え、柱は腐朽部分を更新し、相杓り継手で健全な旧材と繋いでいます。

⑩土台・窓台に取り付けた銅板水切り

土台・窓台に取り付けた銅板の水切りです。

⑪西側階段室部分にコンクリート基礎新設

西側階段室部分にコンクリート布基礎を新設しているところです。

⑫西側階段室外壁の軸組更新

西側階段室外壁の軸組更新の状況です。

⑬西側階段室外壁イギリス下見板張り

西側階段室外壁のイギリス下見板張りの施工状況です。

⑭玄関東側窓枠の修繕状況

玄関東側窓枠の修復状況です。上げ下げ窓のカウンターウエイトのスペースも整えています。

⑮南面1階外壁下見板張りの更新

南面・西面1階の外壁下見板張りの更新状況です。

⑯南面2階外壁下見板張りの更新

南面・西面2階の外壁下見板張りの更新状況です。1階外壁は塗装が終了しており、隅柱に化粧板張りが取り付けられています。

⑰玄関廻り1階外壁の下見板張りの更新

玄関廻り1階の外壁下見板張りの更新状況です。

⑱玄関廻り2階外壁の下見板張りの更新

玄関廻り2階の外壁下見板張りの更新状況です。1階外壁は塗装が終了しています。

⑲胴蛇腹と隅柱の取り合い部分の装飾

胴蛇腹と隅柱の取り合い部分の装飾です。

⑳胴蛇腹と隅柱の取り合い部分の装飾の取付け

胴蛇腹と隅柱の取り合い部分の装飾の取付け状況です。

(21) 軒裏の更新状況

軒裏の更新状況です。

(22) 屋根の葺き替え状況(スレート葺き)

屋根をスレートで葺き替えている状況です。

(23) 東面・北面外壁塗装完了

東面・北面の外壁塗装が完了した状況です。

(24) 南面・東面外壁塗装完了

南面・東面の外壁塗装が完了した状況です。

(25) 西面・南面外壁塗装完了

西面・南面の外壁塗装が完了した状況です。

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